3.11...9年目

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2011年の3月11日。
『ツレがうつになりまして。』の仕上げ作業だった。
次に撮る作品はこの震災に寄り添える映画を撮りたいと思った。書棚にあった、こうの史代さんの「この世界の片隅に」がいいかなぁって...すぐに原作権の許諾をもらって脚本作りに取り掛かった。青島武氏にお願いして、いい脚本が出来たが、映画会社には相手にしてもらえなかった。その後、アニメ作品になって大ヒットした。映画になってよかったけど、少しだけ口惜しい気持ちだった。

結局、自分の次回作は『東京難民』になり、ラストの井上順さん演じたホームレスの老人のエピソードに、原作にはない東日本大震災のエピソードを入れてもらった。

どうしても東北での映画をやりたくて、次にトライしたのは重松清さんの原作を石巻に置き換えて、JRの助役さんとその娘の話にして脚本化した。こちらも、もうちょっとという所まで進んだのだが、結局は流れてしまった。キャスティング作業まで行っていたので残念だった。

さらに陸前高田を舞台にした、小さなオリジナル脚本にもトライした。二転三転しながら、港岳彦クンのとてもいい脚本が出来たのだが、この作品もまた実現しなかった。ボクは撤退したが、形を変えても何とか実現して欲しいと思っている。

この国から忘れられようとしていることが残念だとずっと思っている。未だに仮設住宅が残っている。ボクが東京五輪にずっと反対だったのもそのせいだ。仙台五輪だったり東北五輪なら、ボランティアで応援したと思うけど...福島の原発だって全然コントロールなんてされていない。もちろん選手達を応援はするけど、東京で五輪を開催する意義が見つけられなかった。

9年間頑張ってきて、この東北での映画が1つも実現できないことに自分の不甲斐なさを感じる。今も書棚には、実現しなかった映画の脚本が並んでいる。ちょっと力尽きた感じでもある。

映画会社に頼らない映画作りをこの3〜4年やってきた。これは自由でいい!...もちろんお金集めは大変だけど、やり甲斐もすごくある。『八重子のハミング』に続く、自由に作れる映画を、今またやり始めた。今回は思いっきり、おバカな映画を作ってみようと思っている。

さっき、センバツ高校野球が中止と発表された。とても残念だけど仕方ないかなって思う。夏に思いっきり頑張って欲しい。

早く、映画館や劇場、コンサート会場が復活することを祈りつつ...。
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