さよなら...八千草薫さん

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女優・八千草薫さんがご逝去されました。
TVドラマの「岸辺のアルバム」や「俺たちの旅」が、ボクが知った初期の八千草薫さんだったと思います。やさしさ、静かさ、それでいて...強さを感じさせてくれる女優さんでした。

拙作『日輪の遺産』の久枝役を受けてくださり、初めて渋谷のホテルのラウンジで顔合わせをさせていただきました。劇中の久枝と同い年ということを伺い、そして、さらに誕生日がボクの母親と同日だったこともあり、勝手に親近感を持ちました。八千草さんは母親のちょうど1つ年上でした。
戦時中の話をされる中で、少し遠い目をされて「本当にご本を隠れて読んでいたのよ」と仰有った表情を忘れません。〝ご本〟と仰有ったとき、本当にこの世代の方でも〝ご本〟と言う人がいるんだぁって感動しました。その時の八千草さんの表情を見て、久枝はきっとうまく行くと思いました。
nichirin_large.jpgその6年後、WOWOW『本日は、お日柄もよく』で主人公の祖母役をオファーしました。久しぶりにお逢いした八千草さんは「日輪の遺産のラスト、もう少しうまく出来たはずなの...。悔しくて、また監督とご一緒することにしました」って、やさしい口調で仰有っていただきました。ボクは「日輪の遺産」のラストの八千草さんが素晴らしかったので、またオファーさせてただきましたと返したのですが、クスッと笑われました。その笑顔も忘れられません。
99826C4B5BD9613E13F9B7.png「八重子のハミング」「群青色の、とおり道」のおばあちゃん役は上月左知子さんでした。上月さんも八千草さんも宝塚歌劇団のご出身で、お芝居がしっかりされているのはもちろんですが、いつも背筋がピンとしていて、、、なんと言えばいいのか、ボクが日本人女性に憧れる要素をお持ちだったように思います。上月さんは昨年逝去されました。そして、八千草さんも...。

ありがとうございました...合掌。