3.11...忘れない。

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昨日は7年目の『3.11』。
何年経っても忘れてはならない日。
新作映画の編集作業をしながら、7年前に想いを馳せた。

7年前のこの時期は「ツレがうつになりまして。」の仕上げ作業をしていた。大泉の東映撮影所は停電になるのではないかと毎日心配しながらの作業だった。次にどんな映画を撮ろうかと・・・そんなことを想いながら自分の中でひらめいたのが、こうの史代さん原作の「この世界の片隅に」だった。戦争が背景のこの原作がどういう風に震災に繋がったのか自分でも分からないけど、「この世界の片隅に」を撮りたいと思った。すぐに原作を押さえて脚本を作ったけど、どの映画会社もTV局も地味な企画だと取り合って貰えなかった。この作品はアニメとして映画化されて大ヒットしたのは皆さん衆知のとおりです。

どんな形であれ、この震災を風化させないために「ツレがうつになりまして。」の次の作品には〝震災〟を感じさせたかった。結局、震災後の最初の作品は「東京難民」になった。ラストのシークエンスに登場する井上順さん演じるホームレスが震災で息子を亡くしてしまったというエピソードは原作にはなくて、脚本の青島武さんが出してくれたアイデアでした。さり気なく描かれて、中村蒼クンの主人公にもキチンと伝わるエピソード。とても気に入っているくだりだ。
20140304_895640.jpg翌年製作した「ゾウを撫でる」にはさらに直接的に〝震災〟を盛り込んで貰った。
ストーリーの中に出てくるたくさんのキーワード。
『奇跡の木』...これは陸前高田の奇跡の一本松。
『54本の苗木』...これは我が国の原子炉の数。
『2030年』、そして劇中の映画のタイトル『約束の日』...当時の総理がこの年までに我が国の原発をすべて止めると約束した。
「ゾウを撫でる」は映画を創る人たちの物語ではあるが、『3.11』を忘れないという想いも込めたつもりでした。
640.jpgそして今、どうしても東北の被災地を舞台にした映画を撮りたいと強く想っています。自分なりに感じたことを、感じる映像で・・・。すでに構想は出来ているのだが、いつものように〝地味な企画〟と言われて予算繰りが出来ない。少女マンガが原作でもないし、大ベストセラー原作じゃない、キラキラ映画にもならない、...けど、やっぱり撮りたい。

2011年の夏、石巻のコンテナを並べた仮設屋台村の広場で全国公開前の「日輪の遺産」を無料上映したことも想い出しました。上映に来てくださった観客の方々の顔を見て、まだ映画どころじゃないんだと、自分の無力さに落ち込んだことも想い出す。今、仕上げ中の新作にはそんな想いも織り込んであります。
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